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婚約破棄慰謝料請求相談所婚約破棄の正当な理由

婚約破棄をしても正当な理由があれば許される

婚約が正当な理由なく破棄された場合、被害者は慰謝料を請求することができます。
しかし、婚約中に別の異性と交際していたなど、婚約を破棄されても仕方がないような事情がある場合、それは正当な理由として認められ、破棄された側は慰謝料を請求することができません。

では、どんな事情が正当な理由として認められるのか、具体的に見ていきましょう。

正当な理由の具体例

別の異性との交際
相手が婚約中に別の異性と性的関係をもつなど、不貞行為をした場合
重大なウソ
相手が職業や収入など結婚後の生活に大きく影響するようなことがらを偽っていた場合
身体的・精神的虐待
相手から虐待(継続的な暴力や暴言など)されていた場合【参考判例】
性的不能
相手が性的不能であることを婚約するまで言わなかった場合【参考判例】
回復できない身体・精神の障害
相手が重度の精神病を患ったり、事故や病気で身体障害者になったりした場合
経済状態の悪化
相手の収入が失業などによって極端に減少した場合

以上のような理由がある場合は、婚約破棄をしても相手からの慰謝料請求が認められる可能性は低くなります。
逆に婚約破棄の原因を作った相手に対して、慰謝料を請求できることもあります。


【参考判例】
大審院昭和5年11月29日(抜粋)
仕事過重繁忙を極め普通農家に成長せる被上告人に取りては其の負担余りに過大なりし結果労働に堪えず遂に病気となりたるところ上告人並上告人の父母は毫も被上告人を労わる心あるなく病人なる被上告人に対し尚且過激なる労働を強いて止まざりし(中略)婚姻予約者の一方より同居に堪えざる程度の虐待を受くる等婚姻生活の持続と相容れざる事故発生するに於ては仮令婚姻予約を履行せざるも之を履行せざるに付正当の事由存するものとして因て生ずる損害の賠償を為すの責なきものと解するを相当とす
解説
男性の家業を手伝っていた女性が、その重労働に耐えられず病気になったのに、男性やその父母からなおも過激な労働を強いられていたという事例です。
婚約者の一方から同居を続けられないほどの虐待を受けていた場合は、たとえ婚約を破棄してもそれについて正当な理由があるので、賠償責任を負わずに済みます。

千葉地裁佐倉支部昭和28年1月23日(抜粋)
(Aは)虚弱体質の所有者であって、(中略)その性欲も欠如し夫婦生活を営むには相当の困難を感ずる状態であった(中略)被告は挙式前Aと見合した結果、同人が予想外に小男であったため余り気が進まなかったけれども、媒酌人たる訴外Mがしきりに奨めたので、やむなく同訴外人の顔を立ててAと挙式同棲した次第であったが、同棲後始めてAにかかる身体的欠陥のあることを知り、驚愕懊悩の末将来の見込がない限り早い方がよいと決心し被告の両親とも相談して、遂に前段認定のごとく原告等方に帰来しなかった(中略)被告がかかる事情の下に本件婚姻予約を履行しなかったことは正しく正当の事由があったものと判断すべきが相当である
解説
男性の体が弱く、夫婦生活を営むのが困難な状態にあったために、女性が将来を悲観して実家に帰ってしまったというケースです。
男性が女性に対して婚約不履行(まだ正式に婚姻していなかった)に基づく損害賠償請求をしましたが、裁判所は女性の婚約不履行に正当な理由があることを認め、請求を棄却しました。
婚約した後に相手の性的不能を知った場合は、それが婚約破棄の正当な理由になるという判例です。

正当な理由とは認められないケース

よく言われる性格の不一致や愛情が冷めたといった理由は、正当事由として認められないでしょう。


【参考判例】
東京地裁昭和32年5月6日(抜粋)
原告は男勝りの性格であり、被告は気の弱い性格であって、その性格が全く対蹠的であることは明かであるけれども、両者の性格が一致しないとか、女性が気の強い性格であるとかいうこと、それ自体だけでは、これを以って直ちに婚姻の予約を破棄するに足る正当な事由とはならない。(中略)かかる因子があっても、その調節釣合を保つことができれば婚姻或は婚姻予約中の生活を継続するに、さしたる支障を来たすものではないからである。
解説
気の弱い男性が、女性の性格が勝ち気で男勝りであるという理由から婚約を一方的に破棄した事例です。
裁判所は男性と女性の性格が一致しないというだけでは婚約破棄の正当な理由にはならないと判断しました。

仙台地裁昭和29年10月27日(抜粋)
宮城県の一部には「四目十目」に酷似した「四悪十悪」と称し婚姻当事者の数え年の差が四才又は十才であることを忌む俗信のあることを認めることができ、(中略)両者の数え年の差が十年で、本件の婚姻が右俗信の場合に該当することは明かである。(中略)かような俗信は特別の立証がない限り、根拠があるものとは考えられないから、右は結局右俗信を信ずるものゝ主観的にのみ重要性を有する事実の錯誤というのほかはなく、一般に右俗信を信じないものに対する関係においてまでそれ自体を以て、婚姻予約を破棄するについて正当の理由となすことはできない。
解説
女性が年の差に関する俗信を信じて男性との婚姻を拒んだ事例です。そのような俗信は婚約破棄の正当な理由にはならないと裁判所は判断しました。
民間信仰というものはそれを信じる人にとってはものごとを決める際に重要なファクターとなりますが、信じない相手に無理強いすることはできないというわけです。

大審院大正13年4月14日(抜粋)
上告人主張の如き養父の遺言ありとするも之を辞柄として婚姻の届出を為さざるが如きは正当の理由あるものと云うを得ざる
解説
婚約している女性と結婚してはならないという父親の遺言があっても、婚約不履行の正当な理由にはならないというのが裁判所の判断です。



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